ホーム歳時記6月


雨の季節には、雨に映える花々が咲き乱れます。(左から:紫陽花、梔子、水芭蕉、花菖蒲、鈴蘭、忍冬)
梅雨〜農業大国日本にとっては欠かせない恵みの雨です〜
雨に関する様々な風情
日本は四季を通じて雨が多く降ります。このことは、春雨(はるさめ)、五月雨(さみだれ)、夕立(ゆうだち)、 時雨(しぐれ)など、季節による雨の呼称がきわめて多いことからもわかります。

この時期の梅雨(つゆ)は、梅の実が熟す頃にしとしとと降る、日本特有の長雨です。 五月雨(さみだれ)ともいいます。旧暦では五月のことですが、現在では、 梅雨期に降る雨のことをいいます。「さ」はイネの植付け、「みだれ」は雨を意味し、田植え期に降る雨というのが語源であるようです。 雨量が多く、気温も高いことからうっとうしく感じますが、農作物の成長を左右するため、日本人の生活にとっては欠かせないものです。

その他、この時期の雨にまつわる言葉に、「青梅雨(あおつゆ)」「送り梅雨(おくりづゆ)」などがあります。 梅雨期には新緑が日ましに色鮮やかになっていく状態を「青梅雨」。 そして、梅雨明けの頃、梅雨を送り出すように降る強い雨を「送り梅雨(おくりづゆ)」といいます。これが明ければ、まもなく夏です。

気象の上での梅雨期は必ずしも一定していませんが、暦の上での入梅(にゅうばい=つゆいり)・出梅(しゅつばい=つゆあけ)ははっきりしており、 立春から百三十五日目にあたる入梅の日から三十日間を梅雨といいます。今年平成28年の暦では、6月10 日が入梅です。
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田植え行事
水無月も水月も同じく水の月の意で、旧暦では夏の終わりの月です。このときに水田に水がないと稲は開花結実しないので、農業神の祭礼が盛んに行われました。 現在も、田の神さまを祭る田植え行事は全国各地で行われています。自然への恵みへの感謝と豊作への祈りでもあります。

弥生時代以来つくり作られてきたお米は、日本人にとってかかせることのできない主食。 昔、田植えは農家の女性たちの仕事で、彼女たちを早乙女とよびました。早乙女の「サ」はサガミ(田の神)で、田の神に仕える女性のことを早乙女といいます。 若い女性、お嫁さん、おばあさんも田植えのときはみんな乙女でした。代田に植える早苗の「サ」も同じく、田の神の苗という意味があります。
伏見稲荷大社 田植祭
境内の一画には神田(しんでん)があり、日々神前に供されるご料米が育てられます。 田植祭では、茜襷(あかねだすき)の早乙女らが神田に入り、田植えがはじまります。 神田を見下ろす祭場では神楽女(かぐらめ)が御田舞(おだまい)を舞い、御田舞歌も流れます。
花田植(はなたうえ)
広島県山県郡千代田町壬生に伝承される田植神事。サンバイ様(田の神)を田に迎えて村全体で行います。素朴な田植歌を掛け合いながら田植を行います。
住吉大社御田植祭り
大阪市住吉区住吉町住吉大社で行われる神事。芸妓が植女(うえめ)を演じ、田舞、住吉踊りなどが賑やかに行われ、天下泰平、五穀豊穣を祈願します。
伊雑宮(いざわのみや)御田植え祭り
三重県志摩郡磯部町伊雑宮で行われる行事。伊勢の御田植と並ぶ神事で、25人の奉仕者は伊雑宮に参拝し、修祓を受けて田植えを行います。海の生活が中心ともなるこの地では、漁民の参加も多く、漁師たちの大漁祈願の祭りという色彩があります。
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健康の知恵
ういろう売り
この月は湿度が高いので、食中毒や流行病のシーズンでもあります。そのために昔、このころになると、越後の毒消し売りや、小田原のういろう売りが江戸ではやりました。 外郎(ういろう)は小田原虎屋の製薬で透頂香(とうちんこう)といって、万病の即効薬として人気がありました。現在の仁丹のような清涼剤です。元の滅亡とともに日本へ亡命した外郎の子孫が広めていったのが始まりとされています。二代目市川団十郎が外郎売に扮して「ういらう売りの長せりふ」を演じ、ういろうは一層有名になりました。今では、この「外郎売」は歌舞伎十八番内に加えられ、その独特な節回しは世代を超えて親しまれています。
梅干作り
梅が色づいてやわらかく熟してくると、いよいよ梅干作りの時期です。梅干は古来から、食・血・水「三毒」を断つと言い伝えられています。血液浄化・活力増進・殺菌効果・老化防止・疲労回復の効能があり、食中毒や夏バテ防止にも最適で、この季節にはかかせません。梅干の歴史は長く、中国から日本に伝えられ、平安時代・鎌倉時代では高級食品とされていましたが、江戸時代に入り庶民の間にも梅干が流行すると、梅干作りに紫蘇(シソ)加えるようになりました。紫蘇は、梅の色を美しくすると同時に、魚肉の毒を消したり、かびを防止するといった働きがあります。梅干は、古人の知恵の賜物ともいえるでしょう。
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梅雨の暮らし
みの
主として雨や雪を防ぐために用いられました。平安時代のころにはすでに存在しており、傘が一般化する江戸中期まで、町中でも、みのは生活に欠かせないものでした。実際にかなりの雨でも、中までぬれることはないそうです。
かさには笠と傘があります。笠は竹や木の皮などで編まれた頭にかぶる帽子の一種で、この笠に柄をつけたのが傘の始まりです。奈良時代には中国から輸入されていましたが、この竹の骨に油紙を張った開閉自在の傘が一般に使われるようになったのは、江戸時代の中期といわれています。布貼り、金属骨の洋傘が幕末に渡来、明治になると「コウモリ」と呼ばれて人気が高まり、竹製の傘は使われなくなっていきました。
→6月の特選品・梅雨特集ページへ
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蚊遣(かやり)〜蚊をよせつけない工夫ひとつ一つに風情があります
蚊帳(かや)
稲作と同時に、蚊が多く発生します。夜寝る時に蚊の襲撃から守るための、部屋に吊るす帳(とばり)です。現在ではほとんど見かけなくなりましたが、夏の夜の風情があります。
蚊遣火(かやりび)
蚊をよせつけないために、除虫菊の粉末でつくった蚊取り線香をいぶします。松や杉の皮、かんきつ類の皮や蓬を乾燥させたもので間に合わせていた時代もありました。 効き目があったのは楠やかやの木片をいぶしたものだそうです。現在はニオイや煙のない蚊用殺虫剤も普及していますが、蚊遣火の独特な香りは夏の到来を感じさせてくれます。
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六月の季語
夏の宵に水のほとりを明滅しながら飛び交う蛍。梅雨入り前後のほんとうに短い期間に見ることができます。 蛍が飛ぶにはある程度の湿気が必要なため、湿潤な日本の夏ならではの風物です。
金魚
涼を得るために飼われる金魚。中国から日本に伝わったのは室町時代のことです。その後の江戸時代には、観賞用に様々な金魚が作り出されました。
水中花
涼を楽しむ玩具。紙や木片などでできた花を、水の入ったガラス器に入れると鮮やかに花開きます。花のほか、金魚や鳥などのさまざまな種類があります。
→水中花・水中魚商品一覧ページへ
短夜(みじかよ)
夕方遅くまで明るく、早々と夜が明けてしまうことです。夏の短夜がもっとも短くなるのが夏至。太陽が一年中でもっとも高く昇る日です。 春分を過ぎると、夜よりも昼のほうが長くなりますが、春のうちは日永(ひなが)、立夏をすぎると短夜とよぶようになります。春は昼の暖かさを歓迎し、夏は短い夜の過ごしやすい涼しさを惜しむのです。
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暦については神宮館へ
干支・九星・行事・六輝・中段・二十八宿・下段、東京の日の出入・月の出入・満干潮時など詳細に記述されています。 暦の説明、九星別各人の運気の動向や、納音・十干・家相学・姓名学・命名字典なども加わっているボリュームたっぷりの暦です。
株式会社 ヒラヤマ
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